きずなへ
社団法人日本自閉症協会奈良県支部2001年第4回定期総会
2001年(平成13年)4月22日(日)奈良市総合福祉センターでの講演から
「きのう、きょう、あした」
田川 良一
(社団)日本自閉症協会奈良県支部会員
初めまして、五條市の田川良一と言います、
まず、私のことですが、学生時代から勉強が嫌いで嫌いで、幼稚園は中退
小学校は登校拒否、中学校で数学の先生に漢字の読み方を習ってから、少し
自信が付いたようで、今、思えば 人との出合いに感激しております
昨日
それは、きのうのように、1987年10月8日午前8時
電話がなり、「生まれたよ」とわたしはバイク跨り、病院へ
まるまるした我が家の第2子、それも長女誕生!!
2歳上の長男とちがい、着る物、おもちゃにしてもとにかく
カワイイ・・・・・そう なまえ おんなの子だからいつかお嫁さん
に行くんだから、耳で聞いてイメージ出来、漢字名を見てはイメージできる
なまえ、いろいろな本を読み、これに決定「明るい子と書いて、はるこ」
直ちに住民課へ届けを出しに、行ったところ、「こんな名前はない」
思わず「はあ〜」あれだけ調べたのに、簡単に「こんな名前はない」
ちょっと調べて、と言ったら、いやいや調べてくれまして
「あっ ありました、明子と書いて、はるこ、と読めるんですね」
思わず「ちゃんと仕事してね」と言ってしまいました
幼児期はかなり、内の奥様が悩んでいたようで、それを簡単に
「この子には、この子の階段が有るから、長く見守ろう」と・・・・・
問題点
1)ウンチをおもちゃにしタタミにこねくり付け、最後は口に…
これが奥様にとってはショック…怒りたおして躾をした
2)2歳まで出ていた、言葉が突然消えた
H2.3〜H3.6奈良県障害者リハビリセンター(言語)
対応・・・芳しくなく、通院を中断
H3〜H9近大付属病院 耳鼻咽喉課内言語で言語訓練をつづける
保育所
私たちの住んでいるところは、山と川に包まれ、その頃は全園児60人ぐらいでの
どかな田舎です
家の前が小学校、右へ200mほど行くと保育所、物も言わず、生まれて、きてから
ずっと参加してきた町内の子供会 入れるのか、みんなの迷惑なるのでは…色々悩
みました
みんなに迷惑をかけよう、いや みんなに世話かけよう
3年間本当に迷惑をかけ、お世話になりました
小学校
人学前に特殊学級を見学 夫婦であの先生だったら明子を導いてくれる
入学1年前から学校長と相談してきて、10月はじめての見学
その先生は子供の目線でゆっくりと授業を進めてくれていた
私達夫婦にとって、こんな微笑ましい、授業時間は初めて経験しました
12月中頃あの先生が「解雇」とゆう、噂を聞き、あわてて学校へ
事情を聞くと、前任の先生の病気が直り、あの先生は講師で、1年契約で
その上、1年前から、御願いしていた校長は、来年は定年ですからと
私は自分の無知さ、に腹が立ち、いままで時間を掛けてきた話し合いは何だったん
だろう。
すぐに教育委員会へ行き、話し合いを始める、教師の保護的なこと、などが
全面に押し出されて、話にならず、私は「子供の教育権利と親の義務はどうし
たらいいのでしょう」と訊ねると、黙りがつづき話に成らない
後日、教育委員会指導課 課長を紹介され、明子の入学準備患割こ入るl月
2ケ月で学校の態勢が可能になる
改善要求
1)特殊学級を同級生の声が聞こえる、場所へ
2)積極的に交流学級を持って貰う
3)毎日の連絡帳(先生と親)
入学前に担任の先生が挨拶に来た
「初めまして、明子ちゃんの担任になりました、土橋 広子です」
「自閉症のお子さんを見るのははじめてなので…」すぐに私は
「私達夫婦も初めてです、よろしく御願いします」
それから3年間土橋先生に見て貰い、あとの3年間は長谷川 弥生先生
に見て頂いて、この6年間も色々あつた、有る意味であつて当たり前
それをどう乗り越ええるか、各先生と学校との「あ うん」の呼吸が必要
毎日、職員室へ あそびに行、世間ばなしとか、担任以外の先生を
怒ったり 親として、色々勉強なった6年間でした
○うさぎ学級
・ 田川明子さんの様子
・学習
・うさぎ学級の取り組み
「はるちゃんをもっと知ってほしい」
・学校ぐるみの取り組み
はるちゃんをもっともっと知ってほしい
来年度中学進学をひかえ、宇智小学校、北宇智小学校の子どもたちにも、はる
ちゃんのことを知ってほしいということから、はるちゃんと担任が各小学校を訪
問することになった。各小学校では、はるちゃんのできること、苦手なこと、好
きなこと、嫌いなことなどを話す機会を持った。はるちゃんが作った作品も紹介
した。その後みんなではるちゃんの好きなビーズ作りを一緒に楽しんだ。子ども
たちからは「はるちゃんに何か話しかけられましたが意味が分かりませんでした。
どうしたらいいのですか。」「どんなことを勉強しているのですか。」「6年生と一
緒にどんな遊びをしているのですか。」など質問が出され、それに担任が答えた。
〜うさぎ学級の取り組み〜
はるちゃんをもっと知ってほしい!
運動会の練習をする中で「障害がうつる」という発音があった。もっと、障害に
ついて、はるちゃんのことについて知らせることが必要だ。そこで、全学年では
るちゃんのことを考える時間を取った。
1年生では
「はるちゃんが、みんなとちがうところはどこかな?」となげかけると、子ども達
から「何か訳の分からない言葉を言っている。」「うまくお話ができない。」「ウルト
ラマンとか何回もいっている。」などの意見が出た。その後、はるちゃんの言葉の大
切さを話すととても真剣に聞いていた。はるちゃんが、自分から1年生の黒板に書い
てあった計算を解くと、自然と子ども達から拍手が起こった。
1年生とは、給食当事やそうじを一緒にして楽しく交流している。
2年生では
はるちやんのことで知っていることを発表し合い、分からないことを質問した。「嫌
だったことはどんなこと?」とたずねると、「池の中に石をポンポン入れていたこと。」
と言っていた。そのときたくさんの子がやめときや。」と言ったり、はるちゃんのそば
にある石を違うところに持っていってくれた子もいたようだ。
その後、はるちゃんと一緒に計算を解く。みんなはその早さに驚き、はるちゃんは得
意そうに笑っていた。
3年生では
「はるちゃんってどんな子?」の質問に、少しためらいながら、自分たちが遊んだとき
に感じたことを発表した。池中に棒を入れてパシャパシャ水を飛ばしている姿を見た子が
たくさいた。それは「水の音を聞いたりきれいな水しぶきを見るのが好きなんだよ。」と言
うと、今度からもっとはるちゃんの気持ちを考えて話したいという子がいた。
4年生では
「はるちゃんって、みんなとどんなところが違う?」とたずねると、「ちゃんと話されへん。」
「ウルトラマンとか、もぐもぐとかばかり言っている。」「違うところで勉強している。」「うさ
ぎ学級には遊び道具が多い。」何か作ったりしている。」など次々に意見が出た。
はるちゃんのつぶやいている言葉は大切な思いであり、繰り返して言うことでとても相手に
伝えたいということを説明すると、子ども達の表情が変わりだした。
5年生では
「はるちやんのことで嫌だったこと、腹が立ったことなどなかったのか。」の質問に「注意した
ときに大きな声を出したり、叩かれたことがあった。」と言っていた。最初恥ずかしがってあま
り発表しなかったが,徐々に今まで分からなかったことや思っていたことが言えたようだった。
「何故、はるちゃんに言うときだけ言葉をかえているの。」「6年生の子ははるちゃんのことを良
く分かっていて羨ましいと思います。」などの意見が出た。話が終わってからたくさんの子が「自
閉症を知る本」を読んでいた。
終わりにあたって(まとめと今後の課題)
21世紀に向けて、わが国は国際化、情報化、高齢化、少子化あるいは環境問題などの中で変化
の激しい社会になることが予想されている。ゆとりの中で生きるカを育むことをめざして、新学
指導要領、そして「移行措置内容」の告示と2002年からの全面実施を見据えた「現場の試行
期」が始まろうとしている。
本年度は、「児童が主体的に取り組める授業の創造」というテーマのもとに、視聴覚機器を用い
た授業の研修に取り組み、児童に自主性を育む力を少しずつでもつけながら研究を進めてきた。
障害児学級では、「障害児」の中学進学に向けて同じ中学校々区の3小学校が、連携を取り合う
という事を投げかけ試みた。
違いを認め合い、一人の人間として認め合う事の大切さを学んだが、自分たちの身近なところで
の同和教育をもっとしっかりしなければならないことを感じる。
12年度は移行期間の試行として、総合的な学習の時間を本校としても取り組んで行く計画である。
ふるさとの自然や人々という本物を、体験学習して児童たちが何かを見つけ、自分たちで問題解
決をし、学んだ事を発表していく。そういう時間となることを願うのであるが、そのためには、
児童を支援するために教師の郷土に対する体験・学習が必要であろう。それにはどれだけ地域の
協力と、教師の創造力、エネルギーやパワーが要求される事だろう。 自ら考えて、体験し討論
し、まとめ発表するカ。情報化時代を生きる子どもたちに、本年度研究をした視聴覚機器を活用し
た学習の方法のまとめ方へにも発展させて行きたい。
うさぎ学級
田川明子さんの様子
(生活)
基本的な生活習慣(衣服の着脱、といれ、など)は自分できちんとできます。エプロンを着る時は、
時々嫌がる事がありますが、事前に知らせておくことで抵抗なくできることがが多いです。
繰り返して言う言葉は強くそのことをしたい時なので、それができることであれば「分かりました。」
や「いいよ」などと答え、すぐにできないことであれば、その返事は、使わないようにしています。は
るちゃんは一度約束したことはずっと覚えています。
好きなことをしている時は、何時間でも集中してその作業に取り組めます。嫌いなことは、どこまです
るか最初に示してもらうと、できることが多いです。
暗いところや大きな音が出る場所に入るのを嫌がることがあります。
そうじ、給食当番は友だちの声かけがあると、その仕事に取り組みやすいです。配膳も上手にできます。
もし危険なことをした時には強くしかることが大切です。先生や友だちをつめでひっかくこと(嫌なこと
無理にさせられる時にする)は、最近はほとんどありません。
(学習)
・買い物学習は買いたいものをメモして自分で選んで買えます。おつりとレシートを必ずもらうことを指導中です。
・
したいことや、ほしいことは本の絵を指で示したり、黒板に絵を描いたりする事があります。特に,服を作った
・
りすることが好きなので布を自分で選ぶことから始めています。
・
生活に必要な言葉を写真カードなどを使って繰り返し練習しました。「○○してください」などの二語文は練習が
必要です。
・100までの数は順に読むことができます。電卓やレジスターを使って,たし算やひき算の計算を正確にできます。
コンピューターを使って、自分の好きな絵や友だちの名前を書くことができました。
・色彩感覚はとてもすぐれています。マジックぬり、ビーズ作りでも濃淡の色の違いにこだわり、美しく仕上げて
います。自分の思っている色がない時はそこから進めないこともあります。
・日付け替えは、一日も欠かさずしています。
・
体育はみんなと同じことをしています。追いかけられたり、バスケットのシュート練習、友だちとの縄とび(二人
・
とび)が好きです。
・
6年教室の連絡を毎日、自主的にうつしています。
手書き資料省略
○母子手帳と児童憲章
○東中入学のための書類(1999年10.11記入)
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