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☆「私の子育てと協会活動」
講演の概要
社団法人日本自閉症協会
副会長 須田初枝
- 奈良県の自閉症協会の支部の結成で、日本全国の都道府県単位で支部が全部結
成される事になりました。(須田さんをはじめ、多くの親の努力で、昭和42年に東京
で日本で初めての自閉症親の会を作られたそうです。)
現在、会員数は全国で6600人で、当面1万人の会員数を目指しています。
本部と連携しながらその県に合った、個性のある支部活動をすることが大切だと思いま
す。自閉症は、知的な障害と基本的に違いがあり、社会的な面で困難な障害を持ってい
ます。国の障害基本法の付滞決議の中で、運動の成果として自閉症も認められました。
○私は、現在39才の息子(IQ29のかなり重い自閉症)の母親です。
当時は、子どもを受け入れてくれる小学校がなく、2年間就学猶予をさせられ、やっ
と埼玉の大学の付属養護学校へ入学することが出来た。
4才のときに自閉症と診断され、母親の子育てが想いから自閉症になったと、間遠った
事を言われた時代である。子どもは、多動、異食、ガラスを割り、近所に様々な迷惑を
かけた。よく行っていたひいきのお寿司屋さんの大きな看板の提灯を、気をつけている
のだが隙を見つけて4回破ってしまった。お寿司屋の主人が怒ってきたとき、涙をこぼ
してあやまっている母親を見てから、ぴたりと破ることを止めた。
この子も、自分のしたことが悪いと分かったのではないか。子どもの心を育てながら、
療育をする事の大切さをここで学びました。
- 私の子どもを育てる目標としては社会的に自立をする事を目標にして、子育てを
してきました。
身辺自立、善悪の判断ができるように、そして、内在する能力をどう引き出してやるの
か等。身辺自立は、1年ぐらいかかったが出来るようになった。2年間就学猶予させら
れたが、学校には3年間ついて通った。1年半たつ頃に、学級の中でついていなくても
離れることが出来るようになった。統合教育をどうしても必要であるということで、姉
の学校の普通学級にいるようになった。健常児といるなかで、健常児と同じようなリズ
ムがつくようになった。担任の兜生が、心ある人で、その中で子どもが育っていった。
色々な苦労があったが、工夫して字も覚えられるようになった。例えば、電車に乗って
駅名を鴛えた。中学は私立の村山東中学校の特殊(障害児)学級で過ごした。
函館のおしまコロニーの高等部に入って、卒業した。(色々なエピソードのお話があり
ましたが、まとめでは省きました。)
・IQが高かろうが低かろうが、自閉症の行動障害と問題行動はずっと続くことが多い。
幼児期にあった行動障害は、現在では全く無くなってきている。問題行動で人に迷惑を
かけた時に、親があやまっている姿を見せることも、子どもの認識を変えさせる事にな
り心が育つ。今度は、この問題行動を止めさせようと決めたら、皆が協力することで止
めさせることが出来る。
・物事の善悪の判断力を身につけさせる。工夫と努力で障害の重い子にも、きちんとつ
けることが出来る。はめる事(本人のプライド)を利用してやれば、必ず出来るように
なる。危械的な場面がある場合も、それまでの生活の中で、様々な経験をさせてもらっ
て来た子は、その危機を自分の力で乗り越えていくことが出来る。
彼らのプライドを充足出来るようにしてやれば、かならず発達するのである。
障害児者を、可哀相と見るのではなく、人間としては対等の立場として見る事が大切。
生活年齢相応の対応をする事が、子どもを大きく育てることになる。
・社会の人達にアピールするような集会を持ちながら、自閉症に対して社会的な理解を
はかることが大切である。自閉症児者を育てるのは、健常者を育てるよりも大変な苦労
があるが、その反面、大きな喜びを自分が持つことが出来る。
子どもたちは、大きくなるにつれて様々な面が育つ。好きなことを糧にして、我慢をす
る事も覚えさせる。また、子どもと約束したことは、必ず守るようにする。約束を守る
事で、子どもが親を信頼すろようになる。(様々な場所や物事を経験させることで、姉
妹の結婚式に出ても、きちんと礼儀作法を守って参加できたエビソ−ドを話された。)
・父親の役割がある事。ゆれる思春期を乗り越えさせる場合には、父親がきちんと子育
てに参加して、役割を果たすことが非常に重要である。
(最後に、現在理事長として取り組まれておられる「けやきの郷」の実践報告を簡単に
されました)
ここでは、集団の労働を大切にしているなかで、最重度の人も労働に参加し、その中で
相手を思いやる心、行動が出来るようになってきている。障害は直らないかもしれない
が、どんなに重い障害があっても、心のカ、考えるカは発達していくのだと、けやきの
郷に入所している人達を見て思えるようになりました。
・お話の内容を、メモを中心にして載録してみました。須田様のお話の内容を十分には
伝えられないと思いますが、凄い感動と明日からの実践の勇気と確信を頂きました。有
り難うございました。私(西田)は、前日に奈良の宿泊しておりましたホテルに打合せ
の為に出向きましたが、須田様のお話にすっかり感動して、2時間以上も話し込んでし
まいました。尊敬できる人がまた一人増えた感じで、人生が豊かになりました。
・5月の結成総会にもう一度、もっと詳しく幼児期、少年期、青年期、成人期を見通し
たお話と自閉性障害児者の入所施設などのお話をしてもらう予定です。一般の人達等の
多くの人に是非とも聞いていただきたい内容ですので、呼びかけて参加してください。
以上、会報「きずな絆」より
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