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HOME 第4回強度行動障害について理解を深める会でのレジメ
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1999/2/20
強度行動障害を示す人々への援助
かいぜ寮
石川 肇
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1 問題行動
・その人にとっては適応行動かも・・せざるを得ない行動
でも大多数から見れば問題行動
・誰にとっての問題行動か・・どのようなことが、どのように問題なのか
親や教師、施設職員がもたらした問題行動
本人の器質的要因による問題行動
- 問題行動の意味
・適切な援助が受けれていない時のサイン
・いやな場面を回避する行為
・要求手段
3.自閉症の特徴
・情緒、社会性の障害
相手の気持ちや感情移入が弱い。人が持っている感情の部分のキャッチが弱い。
人に対する関心が乏しく孤立しやすいく
他人の応答から相手の考えを理解することが出来ない。
相手の考えの筋道を推理しながら自分自身の態度を流動的に変えていくことが困難。
・言語コミュニケーションの障害
話し言葉でのコミュニケーションが苦手
環境、状況、場面の意味を理解しにくい
抽象的なことを理解することが苦手
物事の関係の理解が難しい
物事の流れや文脈を把握することが出来ない
・行動、興味活動の限定
遊びが貧困で自由時間をうまく使えない
興味の偏り
その場で一番大切な物に注意を向けることが出来ない。
特定の物にこだわる
4 理解の視点
・感覚の障害 触覚 前庭覚 固有覚
刺激が多い場合は減らす。たりない場合は増やす。
・新奇刺激を探知はするがその後の新奇な情報を処理することが苦手。新奇刺激が過度
に刺激的であり嫌悪刺激になる。ひきこもり、不安、保続の増加が見られる
5 問題行動の対処
問題行動にどう対処するのではなく、日頃より問題行動を起こさせないような対応が大切
・現象面から背景を考えること‥問題行動にとらわれるのではなく背景となっている
ことを知る。
・発達を知る
・自閉症という障害からくる弱点を知る。
・問題行動の意味が理解できたら
やめさせるのではなく、やる必要をなくす
やめさせるのではなく、やれる時間帯や場所を決める
やめさせるのではなく、形を変える
やめさせるのではなく、利用する
・場所、物理的構造化の必要性
場所や場面と活動が1対1の対応をする。
それぞれの場所で何をすればよいのかを視覚的に理解しやすくする。
・スケジュールの構造化
そのひとつ一つの日課の中で自分が今しなければならないことを具体的に提示する
いつ始まるのか
どんな活動をするのか
どのくらいの時間、量の作業や活動をするのか
その活動はいつ終わるのか
終わった後は何をするめかを実際の物、写真、絵等で提示
・作業や生活場面で留意すること
生活、作業、行動面で何を優先課題とするのかを決める。
芽生え反応を理解し、課題に対する援助の仕方を工夫する。
リラックスできる環境作り
1・本人に理解できる方法を用いる
2・ーつの動作を完全に教えること・・目標行動を細かく分析することで、解りやす
く単純な行動に分解し、失敗が少なく、正確に出来る課題として提示できる。
3・対応の統一を図る・・一貫性、同一のルール。
4・自立性を持って課題に取り組むために、個別化されたシステムを一人で活用でき
るようにする。
・激しい行動が頻発しているとき
物理的な阻止(危険回避)
タイムアウト(手順を間違わずに!。本人、保護者へのインフオームドコンセント)
周囲の危険な物の消去(危険回避)
・精神科の治療
薬で抑えるのではなく、緊張や不安を少なくし、その上で療育的対応を行う
事例 資料
平成9年11月から平成10年9月までの
職員のかかわりの変化と、それに応じた彼の行動の変化
月・日 作業場面での目標 具体的なかかわり 彼に適応した部分 適応しなかった 生活・作業面
部分 でのおもな変化
平成9年
11月 作業を拒否をしてもよいと 午後、窯業棟でボルト、ナッ 11月の毀階では課題を見せ
する ト組みの課題にさそう るだけで逃げていってしま
1.ボルトナットの入った う。午前中の畑の時には、
箱を見せる ドライブにいくのも拒否
2.目の前で職員がやって
12月 見せて、本人に20本組で 午後の窯業棟に移勒したと カードの利用は拒否 ドライブの誘い
もらう きには車を窯業棟に持って かけには乗って
3.行えはそれでドライブ いくと乗り込む いく
4,拒否するときは箱ごと
かえしてもらう
5.それも拒否する時には 12月に入って午後窯業棟で
箱から別の箱にボルトナッ ボルトナット組の作業をす
トを移し替えてもらい終 るようになる
了 作業ができるようになると、
ドライブに誘う カードを事務所まで持って
1.窯業棟でカードを手渡汝 いくことに拒否がなくなる
す
2.窯業棟から事業所前ま
で移動してもらい事業所 それまで18時の
前のボックスにカードを 夕食前にしか施
入れてもらい、それでド 設内に戻れなかっ
ライブ たが16時には施
設内でくつろぐ
ようになる
(冬 期 帰 省)
平成10年
1月 本人の要求を大切にし、で 事務所にスケジュールボー スケジュールボードを利用 ドライブ前ボルトナット課 冬期帰省から帰っ
きていることの幅を広げて ドを設置して、そこから車 してドライブ、行き先を適 題、ドライブ後の役割は行 てくると施設内
いく−場所のこだわりや拒 の絵のカード、行き先の写 択する わない(課題を指示した場 事務所ですご
否の方法にとらわれない 真を選んでもらう (ジュースの自動販売機が 所に返すことはできる) すようになる
写っている場所を好んで選
ぶ)
平成10年
2月 春季帰省にむけてこだわる 行き先を2つに絞り、選ん 喜んでドライブのスケジュー 作業や役割は相変わらず拒
場所が変わっても、現在の だ場所でジュースを飲んで ルをこなすようになる。ド 否
関わりが継続できるように もらうようにする ライブに行ってジュースを
していく 買う流れが強化子(カード
を使えは楽しみとしている
行動ができる)として碓定
する
3月
*職員の意識が変化していさ、彼のペ一スに応じるという消極的なかかわりから披の拒否を積極的に認める。
そしてその際にはカード等を使って次の行動を選択するという披の動きの方を肯定的に捉えるようになる。
( 春 期 帰 省 )
4月 今できている行動を基にし スケジュールボードにドラ 課題にあるドライブの写真 ボルトナット組みの課題は 帰省から帰って
(29歳)て、さらに辞頻や形態を探 イブのカードを付け、課題 を選択できる 相変わらず拒否 きてもこだわる
していく 箱に行き先の写った写真を 場所は事務所か
2牧人れる ら変化しない
スケジュールボードに課題 簡単な絵合わせの課題は行 事務所からの移動を極端に 日中事務所に近
を示すカード、その下にド える 嫌い、場所の移動を伴う課 寄らず、大半を
ライブのカードを置き、課 それを基にスタンプ押しな 題や役割(玄関にスリッッパ 棟内で過ごすよ
題の入っている箱と一致さ どの課題が事務所で行える を並べる、食堂におやつを うになる
せながら課題を行う ようになる 取りに行く)には拒否を示
課題は拒否されたらかえて 課題が終わるとドライブに す
いく 行く
平成10年
五月 手務所でしか作業を行えない、同じ道具立てを使って
も場所が違うと拒否されてしまう事から披は、
・場面や状況など予測できないことに直面したり次
に(あるいは今)何をすれはいいのか分からなく
なったりして、不安や混乱を示すのではないか
.彼の設定した起点を大切にしていくという意味で
事務所を中継地として設定し、1つの課題や活動
が終了する度にやってきて次のスケジュールを確
認してもらう
6月 将来的に作業棟で作業が出 作業を行う堀所を、玄関ホー 移動する場所をスケジュー スリッパ並べの課題やボル
きるようにする。 ルに設定しスケジュールボー ルボードに示すと理解 トナットの課題は行えない
ドに写真で提示する 課題に対して、彼のやり方
提示した場所に課題を設置 課題の順番をカードで示す を阻もうとする拒否が現れ
する と理解 る
事務所からボードと課題箱
を持って玄関ホールに移動
して課題を行う
7月 彼の認知様式にあった課題 課題を行う場所を会議室に 変更時もスケジュールボー
を考え作業形態に近づける 固定 ドを基に混乱なく行える
絵合わせ、スタンプ押しと 蝶ネジからボルトの組立移 量的に多い課題や、単純な
いった課題から、ボールペ 動すると拒否なく行える 課題は自分のやり方をつく
ンの組立、トランプの絵合 り、それに介入すると拒否
わせ、蝶ネジしめといった が出てくる
課題に変更
8月
( 夏 期 帰 省 )
帰省から帰ってから後も、こだわる場所は変化せず、作業もスケジュールをもとに行える
9月 あまり事務所にこだわらな 作業の呼びかけをホールに そのカードをもって事務所 日中のはとんど
くなってきたことから中継 写真を設置してそこから作 にスケジュールボードを取 を居室で過ごす
点を生活棟に設置 業の呼びかけを行う りに行って作業を行う ようになる
平成10年
9月 作業をする場所を作業棟へ 事務所と離れた作業場に課 混 乱 な く 作 業 が 行 え る スケジュールボー
移す 題箱を設置、スケジュール ドを作業場にお
ボードに写真で場所を示す。 いても変化はな
い
日常生活面でもとっかかり 午前午後の作業力ードの間 カードを見たとたん職員を
を見つける に昼食カードを設置する 突き飛ばすなど強い拒否状
態
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