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1998年12月14日(月)第6時限 場所 6年2組の教室
道徳 学習指導案 指導者 教諭 西田 清
1.主題名 障害のあるなかまと共に
2.資料名 私の胸の中で生きている姉
3.指導について
- 高学年になるにしたがって、精神年齢も個人差が大きくなってくる。9才の節をこ
えると、考え方も大人に近い考え方が出来るようになってくる。自分のことも、ある程度
は客観的につかむことができる。しかし、一方では、集団の中での規制が強まり、1人の
強い子の存在で、学級集団の判断が左右されることもある。
中心的な子が始めた、ささいな事が、やがては大さないじめへと発展することが多いの
がこの年代からである。いじめてはいけないと分かっていても、強い子の命令に従ったり、
集団に引きずられてしまい、自分を見失ってしまう子が最近は多いようである。
- この学級は、女子が学級のリードをしているようである。男子よりも女子のはうが、
学習などでも活発に意見も発表しているようである。他人の目を気にしたり、誰かの判断
に頼るのではなく、自分自身でよく考えて判断し、行動できる子どもにしていきたいと考
え、この資料を使うことにした。
- 目に見える障害は、わりと理解させやすいのだが、知的な障害の場合や、特に軽い
障害の場合は、一見障害が何処にあるのか分からないことが多いので、理解させるのが困
難である。この授業では、障害が起こる原因についても軽くふれて、理解を深めさせたい
と思う。
- 私の小学校での体験を皆に読んでもらうことで、痛みを分からせたいと思っている。
ここでは、単に障害者の問題だけでなく、人間を表面だけで見て判断してはいけないこ
とも分からせたい。人は皆何かの悲しみを抱き、それをどう克服し、以後の人生にどう生
かしていくのかで、人間として心の強さや優しさを獲得していくのではないでしょうか
- この学級の児童とは、クラブや委員会で少し関わりがあるだけで、あとは殆ど関わ
りが無いので、どれだけ心を開いてくれるか不安である。1時間だけの指導なので、内容
を深めるまでにはなかなかならないと予想される。この資料を読み絵を見ることで、今ま
で障害児者に対して抱いていたイメージと違った印象を、感性を中心に児童に与えられれ
ば、私のねらいは半分以上達成されたのではないか。あとは児童一人一人が、家に帰って、
保護者等と話す中で、作者の思いを自分なりにつかんでくれればと願っている。
4.指導計画(全2時間)
第1時 私の中で生きている姉(作文)‥‥‥‥1時間(本時)
第2時 感想を書く(自分を見つめる)‥‥‥‥1時間(宿題)
5.本時案(1)本時のねらい
- 障害について、正しい認識を身につけさせる。また、障害のあるためとかの理由
で、いじめや差別を受けたりすることがあるが、その時、どんなにその子や親兄弟が傷
ついているのかを知り、共に助け合って生きていこうとする意欲を育てる。
(2)展開
学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 備 考
--------------------------------------------------------------------------------
1.「西田先生の印象」につい | ・今の先生の印象を発表させる。 |
て話をする。 | 人は誰でも得意、不得意な面を持つ。 |
2.山下 清について知る。 |・どんな人か、知っている人がいれば、 |山下 清氏
年齢順に作品を見ることで | 発表させる。 |の絵
絵の変化を知る |・知的障害者。天真爛漫で、絵が好きで |ねむの木学
| 放浪しながら描き続けた。努力を続け |園の絵と本
| たので、絵も上達していった |屋野富弘氏
3.障害はどうして起きるのか |・無いときは教師のほうから少しだけ話 |の絵と本
知っている事を発表する。 |す。睡眠薬や添加物、周産期や病気や |
|高齢化と障害。日本脳炎と障害の関係 |
|
4.先生の子どもの時の話を聞 |・7人兄弟の末っ子で、甘やかされて育 |
いて、予想する。 |った気の弱い子。 |
| |
5.作文「私の中で生きている |・先生は、どんな事が一番つらかったの |自作の手記
姉」を読んで、何がつらか | だろう。 |のプリント
ったのか考える。 |・現在の先生と、小学生の時の先生と、 |
|どこが、なぜ変わったのか考えさせる |
| |
6.感想を書く。 |・家に帰ってもう一度読んでみて、家の |
|人とも話し合ってから感想を書く。 |
--------------------------------------------------------------------------------
・山下清氏…軽い知的障害者。はり絵画家で、死去後の現在も各地で個展が開かれている
テレビドラマの「裸の大将放浪記」で有名である。
・ねむの木学園…女優の宮城まり子氏設立の、肢体障害児の私立の養護学校。付属美術館
があり、宮城氏は著書も多数ある。
・星野富弘氏…私と同じ群馬県人。中学の体育教師、授業中の事故で首から下を動かせな
くなる。口で絵筆をくわえて、詩画を描く。著書多数。村立の美術館がある。
☆
子どもたちの感想文から
○授業の感想
M
西田先生に障害の人の話をきいて、私は、障害者の人にたいする気持ちが、かわった
ような気がします。いままでは、障害の人たちがなんか、かわった人たちだなあと思っ
ていたのに、今は、私達と同じように、同じ事を学びながら、私達といっしょに、生き
ているいる人達を応えんする様な気持ちになった。
障害を持っているT君や、Hさん、だんだん生長してさて、私達のなかまいりをして
はいってきているように思います。これからも、もっともっと、障害者の人達の気持ち
を、わかる人になっていくことができるようになりたいです。
○西田先生の授業をうけて N
私の弟は、障害をもっています。だけど、一日一日、ちゃんとしゅくだいをして、と
きどき「私よりかえらいんとちゃうか(マジ?!)」と思うはど、がんばっています。
うちの弟は、ダウンしょうこうぐんというしょうがいをもっています。
12月13日に、ふれあいフェスタに行ったとき、障害を持ったひとたちの、バンド
えんそうがありました。すごく上手で、弟たちはよろこんでいました。ハンデがあって
も、これだけすごいことができるんだな、と思いました。すごくかんどうしました。
○西田先生の話を聞いて T
私は、西田先生にかんしては、あまりしらなかったので、表めん的なことだけで、こ
わいと思っていました。でも、じつは、とても明るく、おもいしろい先生で、いい先生
だなあと、今はそう思うようになりました。
先生は、昔、弱い子で、いじめられがちな人だったそうだけど、お姉ちゃんへの思い
がかかれた紙を読むと、そうは思いませんでした。今では、とってもいい先生になって
なかよしの教しとしてかつやくしています。そんな先生にも、ひそかにこういう話があ
ったときいて、びっくりしたけれど、あったからこそ、今、おもしろくてやさしい西田
先生がいるんじゃないかと思います。これからも、がんばってください。
○西田先生の話を聞いて H
西田先生の話を聞いて、西村先生への印象が変わりました。これまではこわい先生だ
と思っていたけれど、小さいころ、お姉さんが知的障害を持ってしまい、学校では自分
も姉もいじめられるということにたえ、お姉さんのことを考えて、親にも言わず、毎日
姉さんをかばっているということに僕がなってみると、たえられないと思います。お姉
さんが亡くなったとき、もう自分がいじめられないですむ、と思ったのはいけないと思
うけど、僕もそうおもってしまうと思います。
西田先生が、障害児の教育に熱心なわけがわかりました。西田先生が見せてくれた本
の絵をかいている人が、知的障害をもっていたり、首から下が動かない人がかいていた
りして、すごいと思いました。
山下清さんは、知的障害をもっているのに、はり絵であんなに上手に絵をつくるのは
すごいなと思いました。ぼくも、これからは、障害者の人達の役にたつよう努力してい
きたいです。
○西田先生の話をきいて U
六時間目、西田先生の話をさいて、私はなんだかとても悲しい気分になった。それは
西田先生のお姉さんの話からでもあるけれど、それよりも、いままで知的障害児の人達
を、ばかにしてきた自分が悲しくなったからかもしれない。
今まで、先生がどうして障害児の世話をしているのかなんて知らなかったし、知ろう
としなかった。だけど、そこには深い意味があった。知的障害児のお姉さんを守りたい
という気持ちが強かったのだから。
これを知って私は、これからは障害をもった人をばかにしてはいけない。もちろん、
そうじゃない人も。将来、私も先生のように、誰にでもやさしく、差別をしない人にな
れたらいいなと心からそう思った。
○西田先生の話をきいて A
西田先生は、学校では何もなかったようにしているけれど、小さいころは、すごく苦
労していたんだなと、話を聞いていて思いました。
西田先生のお姉さんは、病気から知的障害者となり、みんなからいじめられて、別の
目でみられて、かわいそうだと思う。西田先生は、これを見ていた小さいころの思いを
ずっと持ちつづけて、今、障害児教育をする先生にまでなれるなんて、小さいころの思
いが、よっぽど強かったんだなあと思いました。
「野にさく花のように」という歌は、とても好きだし、ぼくも山下清を好さです。
知的障害者でありながら、すばらしい作品を残しています。どこにでも、体に障害のあ
る人はいるけど、みんな一生懸命がんばって生きているんだなあとおもいました。
○西田先生の話を聞いて K
私は、大好さな姉が亡くなってしま?たのは、だれにとってもつらいことだと思いま
す。私の祖父も、身体障害者なので、苦労しています。
先生のお話で、先生にひどく言われたり、いじめられたりするのは、すごくかわいそ
うですね。わたしなら、そんなことは絶対にしたくありません。障害をおっているから
と言っても、同じ一人の人間として接して行きたいです。
○授業の感想 B
はじめ、みんなと歌を歌ったときは、「あっこの曲しってる。」と思いながら歌って
いたけれど、授業の最後にまた歌を歌ったとさ、この曲の歌っている意味、そして、歌
しの意味が分かってきました。そのとき、心がキューンとなりました。(後略)
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