○合科(言葉)学習指導案 年 月 日 曜日 第1校時 なかよし1・2組
指導者 教諭 西 田 清
1.題材名 グリーンマントのピーマンマン
2.題材の目標
絵本のあらすじを知り、色ぬりをして内容を理解させ、言葉の内容と動作を一致させる
また、この機会に、ピーマンに対する認識(嫌いな子が多い)を変えさせる。
3.指導について
○児童の実態…4名(男子…1年生、2年生、5年生 女子…4年生)
・なかよし1組(知的障害)と2組(情緒障害)で毎朝1時間、合同で合科の授業をして
いる。合科は主に、話し言葉、発音、絵本、音楽、理科的な内容である。月曜日は、音
楽的なことを主に、水曜日は理科的なことを主に、他の日は言葉を中心とした学習をし
ている。手指の操作性が不十分な児童が多いので、木曜日には特別に1時間、合科とし
て、切ったり貼ったり描いたりの時間を設定している。
・T君がこの4月に入級して4人になり、児童の集団としてのまとまりが少しできるよう
になってきた。歌をうたったり、ボールで遊んだりが、男の子3人でできるようになっ
た。その中で、自分の欲しいものがぶつかった時、喧嘩することができるようになり、
相手の様子をみて、我慢することが少しでさるようになってきはじめた。
・T児(男)は1年生で、知的障害ということで入級してきた。平仮名、片仮名、漢字等
は読めるし、自分の意思を言葉で表現できる。言葉は、乳幼児期にテレビを相手に育っ
たので、共通語のアクセントで、関西弁は話せないし、子どもの言葉ではなく、大人の
言葉で話す。子育てが不十分な為に、自分の意思通りには指を動かせない。
手指の操作が非常に遅れており、握り箸で食べ物は突き刺して食べ、鉛筆は全く持てな
かったが3ヵ月かかって、時間はかかるが自分の名前を書けるようになった。しかし、
絵を描かそうとしてもかけないので、絵本の色ぬりをさせているが、指示しないと出来
ない。平仮名は、ア行力行を練習中だが、時間がかかってなかなか進まない。また、自
分の要求や思っていたことと違うことをしなければならないとさは、奇声を発したり、
泣きわめいて大パニックを起こすことで、自分の要求を通そうとする。野菜は嫌い。
・Y児(男)は2年生で、知的発達に遅れがあり、特に言語発達の遅れが目立っ。簡単な
指示は、理解することがでさる。集団では、友達の動きを見て行動するが、多動な面も
見られる。言葉は、最近、単語が少しずつ出始めてきている。意味のわかる単語は、ゆ
っくり言ってやると口真似することができる。発音は、カ行サ行が不明瞭である。
文字は、平仮名、片仮名とも特殊音節の文字を除いては、読むことが出来るようになり
絵本の拾い読みも始めている。朝の会でのお話は、繰り返し聞くことでストーリーを覚
え、口真似したり動作化する事を楽しみにしている。
・H児(女)は4年生で、自閉性障害があり、知的な遅れも見られる。発達程度は、5才
3ヵ月である。日常生活場面での指示は理解でき、集団の中でも場にあった言動がとれ
るようになってきている。話し言葉はかなり増え、要求や思いを話すが、こだわりがあ
り言わなくなるときもある。発音にも遅れがあり、サ行・マ行・ハ行がとくに不明瞭。
・O児(男)は5年生で、出産時の酸欠が原因だろうと言われている知的障害児である。
発達程度は、6才8ヵ月である。短い文ならば、平仮名はなんとか読んだり書いたりで
きる。促音はやっと何とか読めるようになってきたが、拗音などはまだ無理である。
話し言葉はかなりあり、友達との会話にはそれ程不自由はしていない。しかし、発音に
遅れがあり、発音の通りに文字を書いたり、乱雑に書くので、自分の書いた文章でも読
めなかったり、意味をつかむことが出来ないことがある。色ぬりは、上手になってきた
が、心理的には幼さがある。人物画では昨年から手と足がついた絵がかけるようになっ
た。自分のできないことや、新しいことに取り組む時、すねたりして、学習に乗ってこ
ないことがある。参観授業など、母親が帰ろうとすると、泣きわめくことが多い。
ピーマンについては、「ぼくは、ピーマン大嫌い」と言っている。
○教材について
・「グリーンマントのピーマンマン」さくら ともこ作 中村景児絵 岩崎書店
・この教材のあらすしは、ピーマンの嫌いな子が、ピーマンマンがのどいたバィキンと、
はらいたパイキンをやっつけてくれたことから、好き嫌いを止めてピーマンを好きにな
るという話である。「ピピピピ、ピーマンマン」とか「だいだい大好き」とかリズム感
のある言葉が中心である。また発音に遅れを持っている子も、比較的発音しやすく、繰
り返しなので話の展開も理解しやすい。自分たちも、ピーマンが嫌いなので、話の内容
を良く理解できる。また、児童たちもピーマンマンの人形を使って、物語の中に入り、
主人公になったつもりで、生き生きと活動をさせる中で、ピーマンに対する意識(嫌い
)を変えさせるためにも、都合のよい教材である。この物語は同じ題名で、オペレッタ
としても上演されている。絵本が好評なので続縞として「ピーマンマンとかぜひきキン
」が岩崎書店より発行されている。
なかよしの子どもたちは、なかなか絵を描けなかったり、思いを表現できないので、色
と形を認識させるために、1時間に1枚のペースで、その時間に集中させる場面の文を
読んで、色をぬらせて、だんだんと形と色の表現等を身につけさせたい。
・カードと絵と歌を結び付けて、数年かかって、平仮名、片仮名、濁音、促音、拗音等を
教えてきた。その結果、4人とも、かなり文字を読んだり、書いたりすることが出来る
ょうになっている。現在は拗音を主にした読みを教えているが、全部読めるのは、T君
だけである。この絵本は、なかよしの学級の児童も読めるので、音読もさせている。
4.指導計画(全24時間)
第1次・・・……あらすしを理解する・・・・・・・・……‥…6時間
第2次・・・・・・・絵本の色ぬりをして場面の理解を深め、主人公になったつもりで人形を
使って楽しむ・・・・・・…‥18時間(本時は第14時)
5.本時のねらい
(1)色ぬりをして内容を深め、自分がピーマンマンになって人形と言葉を使って楽しむ。
(2)展開
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
学 習 活 動 | 指 導 上 の 留 意 点 | 準 備 物
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|1.朝のあいさつをする。 |・元気よく、挨拶の歌を歌わせる。|
|2.出席調べをする。 |・司会を児童にさせる。 | ・カード
|3.先生の話を聞く。 | |
|・身体のようすを話す。 |・児童の健康観察をしっかりする。| ・青いチップ
|・今日の時間割を言う。 |・一日の生活の見通しを持たせる。|
|4.係の仕事をする。 |・自分の仕事を責任をもってさせる| ・日付のカード
| | | ・えさ
|5.遊び歌を歌う。 |・歌を楽しみながら、発音や助詞に|・文字と絵カード
| | 気をつけて歌わせる。 |
|6.「グリ瓜ンマントのピー |・話の筋を思い出しさせる。 | ・絵本
|マンマン」のお話を聞く | (前時までの話を読んでやる。)|
|7.今日の場面を読んで、色 |・必要な色を、自分で考えさせてぬ|・色鉛筆
| ぬりをする。 | らせる。 |
|8.ビーーマンマンになって、|・この時間や前のピーマンマンの活|・人形
|自分で動きを考える。 | 躍した場面を、人形を使って表現|
| | させる。 |
|9.終わりのあいさつ | |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
6.指導を終わって
途中まで皆喜んで学習に取り組んでいたが、人形を使うて場面で、T君は突然「ぼくは
怖い」と言って逃げた。指人形を動かした経験がなく、人形が動くのが怖かったようだ
国語科学習指導案 平成 年 月 日() 第1校時
なかよし合同学習 指導者 教諭 西田 清
(1)題材「11ぴきのねこ」
(2)題材の目標
@長い物語のあらすじをつかめるようにする。
A物語の場面の変化やおもしろさが分かるようにする。
B物語の一部を動作化して楽しめるようにする。
(3)題材について
@「11ぴきのねこ」のシリーズの中の、最初の絵本が一番ダイナミックで、ストーリ
ー的にも面白いので、取り上げることにした。主題は、11ぴきののらねこたちが、
協力して困難にうちかち、怪物の魚をっかまえる内容である。
文と絵とがよく合っていて、1ページめくるごとに場面が大きく変化するので、子ど
もを飽きさせないで、話に引き込む力を持っている。それは、絵も文も同一の作者で
あるという良い面がでたのであろう。この本は、3才児の節を越えた子どもに適して
いると思われる。現在、この11ぴきのねこシリーズは、7冊出版されている。
Aこの物語の一番のおもしろさは、捕まえた大きな魚を、みんなに見せるまでは食べな
いという約束を破り、夜があけたらねこたち全員は、腹一杯食べてタヌキのおなかに
なっていたというところである。作者は、意図的に食べる場面を描かないで、読者に
想像をさせている。この点が、児童のイメージカを育てる上で非常に大切である。
特に、具体的な絵や物がないと理解できない自閉性障害児には、授業の展開の上では
具体物や動作化をしてやって、理解をさせるのには良い教材であると思われる。
B夜中に辛抱できずに、魚をついに食べてしまう場面のねこについては、二通りの想像
ができる
ア1ぴき1ぴきが、こっそりと暗闇にまぎれて食べるというやや罪悪感があると考え
る解釈。
イ暗闇にまぎれて、1ぴきがとびかかると、よだれが出るのを我慢していた他の10
ぴき全部がとびかかってたべるという、やや、ユーモラスな解釈。
教師集団としては、作者の馬場のぼるという人柄から、イの方の解釈が適切ではない
かと考えている。また、心理から考えても、その方がより子どもの考えや行動に近い
ように思われる。また、指導する場合に、ねこの心理や行動が単純化されるので、指
導しやすいことからも、イの考え採用することにした。
Cこの題材のお話については、知的障害を持つ3人の子どもたちは、ストーリーを理解
して楽しむことがでさる。ダウン症の子も、言葉は少ないがかなり内容を理解して喜
んで学習に参加することができる。情緒面や言語面に障害のある2人については、場
面場面については理解はできる。また、自閉性障害児は、前の場面と後の場面の絵と
のつながりを想像して結び付けることはなかなか出来ない。つまり、自分の持ってい
る知識を統合して、想像する事が難しいので、ここでは分からないときには、OHP
やねこの絵や魚の絵(半具体物)を使用して、想像する力をのばす手助けをしてみた
いものである。また、場面をシッカリと認識させるためにも、色鉛筆で絵本に色付け
をさせることを重視して淑り組みたい。更に、動作化などをして、楽しみながらより
内容を深く理解させたい。
(4)児童の実態・・…6名(中度障害2名、軽度障害4名)
@1年生…ダウン症…1名…中度障害で、ハッキリした発語は数語ある。理解言語はか
なりあるが、言葉としては出てこない。自分の要求を、動作で表すことができる。
A2年生‥知的障害‥1名…日常使う言葉等の話し言葉はかなりあり、文章はすらすら
と読めるが、書き言葉はなかなか覚えられない。絵は、今のところ全く描けない。書
写能力上のLDの傾向が疑われている。自分の気に入らないことがあるとパニックを
起こし、なかなか制止できない。
B3年生…知的障害の子…1各一一軽度であって、日常的な会話には不自由しない。
言語的な障害=…1名…かなり内容は理解できる場合があるが、発音などが不明瞭で、
自分の思いを相手に伝えるのが不得意である。簡単な文は読むことができる。
言語障害だけでなく、現象的には、知的障害と自閉佐障害もあわせもっている感じで
ある。遊びなどもパターン化した行動から、なかなか抜け出せない。
C5年生…自閉性障害…1名…昨年度までは軽度であったが、今年度になってからやや
障害が重くなって中度である。言葉はあるのだが、自分の要求を一方的に話す。現在
は、薬物治療を行っている。
D6年生…知的障宮‥1名…拗音や促音も読めるようになってきた。発音に幼児語が残
っており、矯正をされるとすぐに拗ねてしまう。
(5)指導計画(全20時)
@あらすじを理解し、色塗りをする・・・・・・…‥・・・・・・‥15時間
A絵のない場面を想像して楽しむ‥……‥…‥…………3時間(本時は第2時)
B動作化をして楽しむ‥‥‥……‥‥……・・・………… 2時間
(6体時案
@目標11ぴきのねこが、やくそくをやぶって、魚を食べてしまう場面を想像させ、
おもしろさを分からせる。
A展開
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
学 習 活 動 | 留 意 点 | 備 考
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1.あいさつの歌をうたう。 | ・授業の始まりという意識を持たせる|
2.二語文のうたを歌う。 | ・ハッキリと言葉を発音をさせる。 | ・絵カード
3.手遊びうたをうたう。 | ・本時の教材と結び付けて歌わせる。|
3.11ぴさのねこのカードを黒 |・何のお話の学習をするのかを確認す | ・絵本
板にはる。 | る。 | ・ねこのカ
4.11ぴきのねこのお話を聞い | ・話に、児童をまきこむように工夫す| −ド
て、あらすじを思い出す。 | る。 |
5.なぜ、魚が骨になったかを考 | ・絵本で、前後の場面を見させて、想| ・怪物の魚
える。自分の本で考えてみる | 像させる。 |
| ・言葉で言えない子については、動作 |
| などで答えさせる。 |
| | |
6.ねこのカードで、自分の考え | ・言葉の少ない子、自閉性障害児に初|
たことを動作してみる。 | めに答えさせてみる→知的障害の子|
(黒板にはった絵で) | ・OHPでねこと怪物の魚を重ねて、 |
| もう一度考えさせてみる。 |
7.ねこになって、怪物の魚に飛 | ・みんなで、想像したことが正しかっ|
びかかる。 | たことを確認して、動作化を楽しま |
| せる。 |
8.カラオケで歌う。 | ・楽しませながら、発禁や発音の練習|
| をさせる。 |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★メモ